半年ほど練習に顔を出していなかった、格闘技仲間の50代の先輩から、久しぶりに飲みの誘いがありました。
焼き鳥屋のカウンターに並んで座り、最初の一杯が来たところで、先輩が言いました。
「実はさ、心臓にステント入れたんだよ」
階段を上っているときに胸が締めつけられるような感覚があり、病院に行ったところ、心臓の血管が細くなっていたそうです。カテーテルで治療を受け、格闘技の練習は、医師と相談してやめることにしたと言います。
あれだけ練習熱心だった先輩が、と言葉に詰まっていると、先輩は手元のグラスを持ち上げました。中身はノンアルコールビールでした。
そして少し声を落として、付け加えました。
「今思えば、その1、2年前から夜のほうも元気がなかったんだよな。関係あるらしいぞ」
その一言が、ずっと頭に残りました。
EDと心臓病の関係
EDと心臓病には、深いつながりがあると言われています。
海外の研究では、EDのある男性は、そうでない男性に比べて、心筋梗塞や狭心症などの心臓の病気を起こすリスクが高い傾向があったと報告されています。
さらに注目されているのは、EDが心臓の症状よりも「先に」現れることが多いという点です。報告によっては、EDが現れてから数年後に心臓の病気が見つかるケースも少なくないとされています。
先輩の言っていたことは、どうやら気のせいではなかったようです。
なぜ陰茎の血管に先に表れるのか
EDも心臓病も、多くの場合、根っこにあるのは動脈硬化だと考えられています。
動脈硬化は、全身の血管で少しずつ進んでいきます。ただ、陰茎の動脈は、心臓の冠動脈よりも細いと言われています。
同じように血管の内側が狭くなっていても、細い血管ほど早く影響が出ます。そのため、心臓に症状が出る前に、陰茎の血管で先に変化が表れやすいと考えられているのです。
EDが「血管の健康状態を映す鏡」や「体からの早期警告」と呼ばれるのは、このためだと言われています。
血管の状態については、コレステロール値とEDの関係でも詳しく書いています。
心臓病とEDに共通するリスク
EDと心臓病は、原因となる生活習慣や体の状態もよく似ています。
- 高血圧
- 糖尿病・血糖値の高さ
- コレステロールの高さ
- 喫煙
- 肥満、特にお腹まわりの脂肪
- 運動不足
血圧の薬とEDの関係については高血圧薬とEDの関係、血糖値については糖尿病予備軍とEDのサイン、喫煙については喫煙とEDの関係でも触れています。
「年齢のせい」で片づけないこと
40代になると、夜の自信が以前ほどではないと感じても、「もう若くないから」と考えてしまいがちです。私もそうでした。
ただ、EDが血管からのサインかもしれないと知ってからは、少し見方が変わりました。
EDを恥ずかしい悩みとして黙っておくのではなく、「体の内側で何かが起きていないか」を確認するきっかけとして受け止める。そう考えると、相談することへのハードルも少し下がる気がします。
私が見直していること
先輩の話を聞いてから、私が意識していることです。
- 健康診断の血圧、血糖値、コレステロールの数値を、去年の結果と並べて比べる
- 階段や坂道で、以前より息切れや胸の違和感がないか気にかける
- 有酸素運動を、筋トレとは別に少しずつ取り入れる
- お酒の量と、締めのラーメンの回数を減らす
有酸素運動については、有酸素運動とEDの関係でも書いています。
ちなみに先輩は、今は毎朝のウォーキングを日課にしているそうです。「格闘技に比べたら退屈だけどな」と言いながら、歩数計の画面を自慢げに見せてくれました。
気になる変化があるときは
EDの原因は、血管だけではありません。ストレスやホルモン、薬の影響など、さまざまな要因が関わっていることもあります。
ただ、EDに加えて、胸の痛みや締めつけ、息切れ、動悸などがある場合は、心臓の病気が隠れている可能性もあると言われています。その場合は、早めに医療機関を受診することが大切です。
EDの症状と合わせて気になる変化がある場合は、自己判断せず、専門家に相談してみることをおすすめします。
個人の体験・見解に基づく内容です。症状には個人差があり、効果を保証するものではありません。気になる症状がある場合は、自己判断せず医療機関にご相談ください。


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