「ちょっと動かないで。白髪、抜いてあげる」
休みの日、彼女の部屋でくつろいでいたときのことです。私の頭をのぞき込んだ彼女が、そう言って指を伸ばしてきました。
短く刈り上げたフェードカットなので、伸びている部分は頭のてっぺんあたりだけです。そこに、白いものがちらほら混じっているようでした。
「いや、抜かないで」と、思わず強めに止めてしまいました。
彼女は少し驚いた顔をしていましたが、私の頭の中は「抜いたら、そこからもう生えてこないのでは」という不安でいっぱいでした。生え際が後退している身としては、1本たりとも無駄にはできません。
とはいえ、白髪と薄毛に本当に関係があるのか、実はよく知りません。調べてみることにしました。
白髪ができる仕組み
髪の色は、毛根にある「色素細胞(メラノサイト)」が作るメラニンという色素によって決まると言われています。
年齢とともに、この色素細胞の働きが弱まったり、数が減ったりすると、色のない髪、つまり白髪が生えてくるとされています。
白髪が増える原因としては、加齢のほかに、遺伝、ストレス、栄養の偏りなどが関係していると考えられています。
AGAが進む仕組み
一方、AGA(男性型脱毛症)は、男性ホルモンから作られるDHTという物質が毛根に作用し、髪が十分に育つ前に抜けてしまうことで進行すると言われています。
髪が細く短くなり、やがて生え際や頭頂部が薄くなっていきます。
AGAの仕組みについては、AGAの原因でも詳しく書いています。
つまり、白髪は「色を作る細胞」の問題、AGAは「髪の成長サイクル」の問題。仕組みとしては、別のものだと考えられているようです。
「白髪の人はハゲない」は本当か
昔から「白髪の人はハゲない」「ハゲる人は白髪にならない」といった話を聞くことがあります。
ただ、今のところ、これを裏づけるはっきりした根拠はないと言われています。
白髪とAGAは仕組みが違うため、どちらか一方だけが進む人もいれば、両方が同時に進む人もいるようです。実際、私の場合は、生え際が後退しながら、頭のてっぺんには白髪が増えています。どうやら両方来ているようです。
白髪を抜くと薄毛になるのか
ここが一番気になっていたところです。
白髪を1本抜いたからといって、そこから白髪が増えたり、すぐに薄毛になったりするわけではないと言われています。
ただし、同じ場所の毛を何度も抜き続けると、毛根が傷ついて、その毛穴から髪が生えてこなくなることがあるとされています。また、抜くときに頭皮に炎症が起きることもあるようです。
髪の本数が気になる世代としては、白髪は抜くよりも、根元から短く切るほうが無難だと言われています。
あの日、彼女の手を止めたのは、結果的に正解だったようです。
白髪も薄毛も「生活習慣」はつながっている
白髪とAGAは仕組みこそ違いますが、どちらも頭皮や毛根の環境、そして体全体の状態と無関係ではないと考えられています。
- 睡眠不足
- 強いストレス
- 喫煙
- 栄養の偏り
こうした要因は、白髪と薄毛の両方に良くないと言われています。
睡眠との関係は睡眠の質とAGAの関係、ストレスとの関係はストレスと薄毛のパターンでも書いています。
白髪は染める、薄毛は相談する
白髪が気になる場合は、染めるという選択肢もあります。ただ、カラー剤が頭皮に合わない人もいるので、使い方には注意が必要だと言われています。詳しくはカラーリング・パーマ剤とAGAをご覧ください。
後日、彼女には「白髪は抜くと良くないらしい」と説明しました。
「ふーん。じゃあ、切ってあげる」
そう言って、今度は眉毛用の小さなハサミを持ってきました。素直にお願いすることにしました。
白髪そのものは、多くの場合、健康上の心配はないと言われています。ただ、生え際の後退や頭頂部の薄毛が進んでいる場合は、白髪とは別の問題として考えたほうが良さそうです。
薄毛の進行が気になる場合は、自己判断せず、専門家に相談してみることをおすすめします。
個人の体験・見解に基づく内容です。症状には個人差があり、効果を保証するものではありません。気になる症状がある場合は、自己判断せず医療機関にご相談ください。


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