「お客さん、頭皮けっこう硬いですね」
いつもの床屋で、シャンプー台に倒されたときに言われました。
短いフェードカットを保つため、床屋には2〜3週間に一度通っています。担当の店員さんとはすっかり顔なじみで、遠慮なく何でも言ってくれます。
「硬い頭皮は、髪にもよくないって言いますよ」
そう言いながら、指で頭全体をぐっと押してくれました。気持ちいいのですが、同時に少しドキッとしました。生え際が後退しているのは、自分が一番よくわかっているからです。
帰り道、頭皮の硬さと薄毛には本当に関係があるのか、調べてみることにしました。
頭皮マッサージに期待されていること
頭皮マッサージには、主に次のような働きが期待されていると言われています。
- 頭皮の血流を良くする
- 頭皮のこわばりをほぐす
- リラックスしてストレスを和らげる
髪は、毛根に届く血液から栄養を受け取って育ちます。そのため、頭皮の血流が良くなれば、髪の成長を助けるのではないか、と考えられてきたようです。
研究でわかっていること
日本で行われた小規模な研究では、1日4分の頭皮マッサージを24週間続けた男性で、髪の太さが増したという報告があります。
マッサージによる物理的な刺激が、毛根の細胞に何らかの影響を与えた可能性があると考えられているようです。
ただし、対象者は10人ほどと少なく、髪の本数が増えたわけではない点には注意が必要です。
AGAの進行は止められるのか
ここは、はっきりさせておきたいところです。
AGA(男性型脱毛症)は、男性ホルモンから作られるDHTという物質が、毛根に作用することで進行すると言われています。
頭皮マッサージは、このDHTの働きを抑えるものではありません。つまり、マッサージだけでAGAの進行を止めることは難しいと考えられています。
AGAの仕組みについては、AGAの原因でも詳しく書いています。
頭皮マッサージは「治療」ではなく、髪が育ちやすい環境を整える「ケア」のひとつ、と考えておくのが良さそうです。
私が取り入れているやり方
トレーナーとして筋肉をほぐす仕事をしていると、つい力を入れたくなります。ただ、頭皮は強くこすったり、爪を立てたりすると、かえって傷つけてしまうことがあると言われています。
私が意識しているのは、次のようなことです。
- 指の腹を使い、頭皮を「こする」のではなく「動かす」
- 側頭部、生え際、頭頂部、後頭部の順に、ゆっくり押し回す
- 1回3〜5分ほど、シャンプーのときか風呂上がりに行う
- 痛みや赤みが出たらやめる
側頭部の筋肉は、歯を食いしばると硬くなりやすい場所です。トレーニング中や格闘技の練習中に食いしばることが多い人は、このあたりが特に硬くなっているかもしれません。
シャンプー選びについては、シャンプーとAGAの関係の記事も参考になると思います。
気持ちいい、が一番の効果かもしれない
調べてみてわかったのは、頭皮マッサージは「これで薄毛が治る」というものではない、ということでした。
ただ、ストレスは抜け毛の一因になるとも言われています。一日の終わりに頭皮をほぐす時間が、気持ちを落ち着ける習慣になるなら、それだけでも意味があるのかもしれません。
次に床屋に行ったとき、店員さんに「少し柔らかくなりましたね」と言われました。本当かどうかはわかりませんが、素直に喜んでおくことにします。
生え際の後退や頭頂部の薄毛が進んでいる場合は、セルフケアだけで解決するのは難しいと言われています。自己判断せず、専門家に相談してみることをおすすめします。
個人の体験・見解に基づく内容です。症状には個人差があり、効果を保証するものではありません。気になる症状がある場合は、自己判断せず医療機関にご相談ください。


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